日本人の90%が仏式葬儀なのはどうして?
日本のお葬式はそのほとんどが仏式葬儀なのですが、仏教徒なのかといえば首を傾げます。
外国の方からみれば日本人ほど宗教に対する姿勢が分からない民族はいないのではないかと言われているほどです。
日本人の約90%が仏教を信仰しており、代表的な仏式での宗派は「天台宗」「曹洞宗」「臨済宗」「浄土宗」「日蓮宗」「日蓮正宗」「浄土真宗(西)」「浄土真宗(東)」「真言宗 豊山派」「真言宗 智山派」とされていますが、貴方の家の宗派はと聞くと分からないという人がほとんどです。
では何故、仏教徒でないのに仏式葬儀なのかといえば、お寺に菩提寺があるからです。
しかしそれは先祖代々伝えられてきたからという意味合いが強いのです。
実はこれは江戸時代の制度からなりたったと言われています。
この制度の真の目的は隠れキリシタンを撲滅するためでした。
つまり庶民も寺に所属し、生き死にに関するすべてを寺に任せ、おりあるごとに寄進をすることと引き換えに、寺はその人物たちが檀家であって、隠れキリシタンでないことを証明するようになりました。
つまり寺に所属しないと隠れキリシタンと疑われ、処罰されるために人々は幕府に決められた通りに寺に所属しました。
そのせいかほとんどの人間が仏教徒になったのですが、仏教の詳しいことを知らないまま、葬儀だけは寺で行うということが続き今にいたっているともいえます。
明治になり宗教の自由が認められ、キリスト教の信者はキリスト教に帰依しました。
しかしほとんどの日本人は仏教徒という意識はなくてもそこが先祖代々の墓であり、菩提寺とされるものがあるために、葬儀も仏式葬儀となるというわけです。
今では自分で新たなお墓を購入したり、お墓にこだわらないという人もいますが、逆に確固とした宗教がなく、ほぼ無宗教といってもいいためにお葬式はそのまま仏式葬儀になってしまうといってもいいのでしょう。
自分の家の菩提寺は何処か、その宗派は何かということくらいは知っておいた方がいいでしょう。